大きな駅の出入り口、ガード下、商店街の人通りの多い場所などで、皆さんは路上占い師を見掛けたことはありませんか?簡素な卓と椅子、手相や顔相といった占術を掲げた看板、あるいは易占いならば筮竹・・・その雰囲気に引き寄せられるように、読者の中にも路上占い師に占ってもらったことがある人もいるかもしれません。そこでこのコーナーでは、実際に路上占い師を利用した人のレポートをご報告したいと思います。いったいどんな路上占い師がいて、どんなアドバイスをもらえるのか?占いの館との違いは?そんな疑問も解き明かされていくことでしょう。
「手相占い」と聞いても、最初はあまりピンときませんでした。でも、最近人気上昇中の手相占い師さんに、勤め先からあまり離れていないところで会えることがわかったばかり。そこで、なんとなく軽い気持ちで「手相を見てもらおうかな」と思い足を向けたのです。
23区内のとある大通りに定期的に座っている、手相占いの正確さで評判になっている路上占い師さん。第一印象ですが、少しびっくりしました。噂には聞いていましたが、ずいぶんと若々しく見えます。けっこうベテランさんのようでしたが、まだ30代といっても通用しそうです。手相占いがはじまってすぐわかりましたが、すごく話しやすい雰囲気の方でした。人気があるのもわかります。安心できる雰囲気ですし、こちらのいいたいこともしっかりと聞きとってもらえます。「頼れるお姉さんキャラ」的な方でした。
私の手を見て、まず生命線や感情線のことをほめてくれました。「バランスがいい」と。それから、「金運がいいですね。これからもどんどん貯まりますよ」「仕事運にも恵まれてますね。今、わりと充実してるでしょう?」と。そのふたつは、特に当たっているかなと思ったところでした。最近は本当に仕事がうまくいっていますし。「手相では、本当にいろんなことがわかるんだ」と感心しました。
「仕事もかなりはかどるし、お金もたまるし、それに病気とかにもならなさそう」とわかってすっかり気をよくしました。しかしここで、女性としてとても大事な、結婚の方面が急に気になってきました。仕事はひたすら充実しても、そちらのほうはうまくいかないのかと不安になりかけましたが、すかさず説明してくれました。
「いいえ、結婚線もくっきりと出ていますよ。ただ、すぐにはご縁がないみたいですね。でも確実にチャンスはやってきますから、あせらないことですよ。あと5年くらいはかかるかな。でも男の人をよく見ていれば、必ずいい人をキャッチできます」。柔らかな声でそういってくれたので、心から安心できました。私の好きなタイプも、まあまあ見抜いていましたし。「最近は、年下にも目が向くようになってきたけれど、もともとは年上の頼れるタイプの人が好きなのでは?」と。「最近は」というか、もう4年くらい前から年下もOKになっていたのですが。
ところで私は勘違いしていました。「今つきあっている彼氏とのこれから」みたいなことを占ってもらうのは、手相では難しいらしいです。手相は、その女の人の運勢全体を知るためのものだそうです。現在進行中の恋愛の行方を知りたいようなときは、手相ではない占いを利用したほうがよいのだそうです。
もう1点、うれしく思ったことを付け加えます。手相を知らない私のような女性がまだたくさんいるからと、路上占い師さんは大きな手相の図を見せながら説明してくれました。「親指は意志や理性を象徴してるんですよ」とか、「結婚線の上には玉の輿を意味する部分があるんですよ」とか。これから手相占いを試す女性は、こんなふうに、素人に慣れている占い師さんを選んだほうがいいと思います。路上占い師さんじゃなくてもかまわないでしょう。1000円や2000円くらいで、1回15分~30分くらいでコンパクトにやってくれる手相占い師さんがたまに見つかりますが、ああいう人たちだったら、素人にもわかる説明をしてくれると思います。
この路上占い師さんは、最近出張もはじめるようになって大忙しだそうです。それでも、「路上占いを始めたこの場所に思い入れがあるんですよ」。できるだけこの場所で、悩める女性を待つようにしているということでした。
「そういえば、あまり厳しいことおっしゃらないんですね?」と質問してみたら、「あなたの場合は本当に順調な人生を送れるんですよ」なんて、またうれしくなることをいわれたんですが、それでもまじめな説明をしてくれました。手相を見て、不吉なサインが見つかったときでも、どうすれば乗り切っていけるのかをアドバイスするようにしているのだそうです。「気配りが行き届いた占いをするところが慕われる理由だろうな」と思いました。現に私も、見てもらう間に、温かい人柄にふれていい気分になりましたし。
「手相を見てもらうときは、これからの人生のことを広く教えてもらうようにしたほうがいい」。それが今回わかったことですが、もうひとつ大事なことは、素人の女性をよく見ていて、人柄の温かい人を指名するのがベストじゃないかと思います。