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占い現場報告書

路上占い師利用レポート

第16回 同じ失敗を未然に防ぐ助言をくれた路上占い師

このままずっと孤独な人生?

最初の結婚に失敗して、離婚したのは26歳のときでした。実家に居場所がなく、若くして結婚したのが間違いでした。夫は外に女をつくり、家に帰らなくなったのです。離婚後しばらくは働きづくめ、彼氏はいたりいなかったりでした。30歳の誕生日の日、女友達と飲んでいたのですが、ふと『このまま、私と息子の二人で死ぬまで暮らすのだろうか』と不安がよぎりました。豊かな生活をしている女友達を見て、自分のみじめな境遇と比べてしまったのです。

そして、帰り道、ふと目に留まったのが、路上の占い師。細身のおばあさんが、私に声をかけてきたのです。普段は占いの店などに行くタイプではありませんが、せっかく誕生日だし、いつもはしないことをしてみようと前に座りました。

男運の悪さを指摘された

占い師のおばあさんは私の生年月日と手相を確認して、こう言ったのです。「アンタは男に好かれるけれど、ロクな男が寄ってこない!」とハッキリした口調でした。実は自分でもかなり自覚があったので、ウンウンとうなずきました。その原因は情に流されやすく、性急に物事を決めたがる性格にあるそうです。改善策を訊くと「決心する前にもう一度、いえ、何度もじっくり考えなさい」と言われました。

優しい彼からのプロポーズ

それから3カ月後のことです。職場に転勤してきた同年代の男性に強くアプローチされ、交際が始まりました。彼も離婚歴があり、私の気持ちをわかってくれたので、頼りになりました。そして1年後には彼からプロポーズの言葉が……。

私は彼をよく観察しました。収入は安定しているし、職場でも人望があります。息子のことも可愛がってくれます。なにより私を真剣に愛してくれるし、結婚しようかと思ったのですが、ふと、占い師のおばあさんの言葉が頭をよぎり、「もう少し考えよう」と思いました。自分はどこか軽はずみだと自覚するようになっていたからです。しかし、その判断は正解でした。

見えなかった彼の本心

私の友人が飲みに行ったスナックで偶然、彼を見かけたそうです。彼からは見えにくい席で観察していたところ、彼はカウンターの女の子を必死で口説いていたようです。しかも、彼が帰ったあとに、女の子に彼のことを訊くと、「あの人、たくさん彼女がいるんですよ。だから、相手になんてしませんよ!」と言ったとか。

そこからはもう大追跡です。彼の持ち物から痕跡を探したり、休日の行動を探ったり、真実を知りたい一心でついには彼の男友達にまで連絡を入れました。男友達は私が真剣に悩んでいることを理解して、彼の本当の姿を教えてくれたのですが、私以外にも同時に2人の女性にプロポーズしていたとか。真剣な交際だと思わせるため、結婚という言葉を出していたようで、本心は、「片手の指の数ほどいる彼女たちとこのまま上手くやっていきたい」です。呆れると同時に、別れを告げました。怒りより落胆のほうが大きかったのです。

アドバイスをずっと肝に銘じて

その後も占い師のおばあさんの言葉を思い出し、出会う男性をことごとく時間をかけて観察しました。例のごとく、ロクでもない男ばかりだったのですが、しかし人生大逆転。アラフォーに突入した頃に、今までの不運を覆すような素敵な男性に出会ったのです。外見がタイプでなかったこともあり、より冷静に相手を観察できましたが、それが功を奏したのでしょうか、中身の素晴らしさに気づきました。今は再婚して、平和で温かい毎日を過ごしています。

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