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占いを楽しむコラム

カーディナル・クライマックス

2008年から2015年にかけて、天体は「カーディナル・クライマックス」という激動の時期に突入しています。星占いへの影響はもちろんのこと、この稀なる現象は現実社会にも大きな影響を及ぼしてきました。2008年のリーマンショックから始まり、近年は世界各国で起こる大規模な出来事が後を絶ちません。生きとし生けるものすべてに影響与えるこのカーディナル・クライマックス。激動の星々は、私たちに何を伝えようとしているのでしょうか。

「カーディナル・クライマックス」とは

西洋占星術(通称:星占い)では、12のサイン(星座)と10個の惑星(太陽と太陽系)の星を読み解いています。中でも12のサインは3つの特性(カーディナル、ミュータブル、フィクスド)に大きく分けられ、占術の基準とされています。
カーディナル・クライマックスとは、常に動き続けるカーディナル・サイン(活動星座)と呼ばれる牡羊座、蟹座、天秤座、山羊座の座標上に、土星、天王星、冥王星が集中し二等辺三角形や四角形などの図形を形作る、その現象の名称です。
星々がこの動きを取る時は、経済的に大きな変革に影響すると言われています。2008年から現在まで、すでに信じられないような出来事が多発していますが、カーディナル・クライマックスはこれからが本番です。実は予測もつかない変革を起こす「天王星」と、基礎的な破壊と再生をもたらす「冥王星」がカーディナル・サインに作用するからです。

もっとも過激な組み合わせ「天王星と冥王星」

天王星と冥王星の組み合わせをイメージすると、「革新と核心」、「変化と極限」、「革命の異端児と圧倒的な独裁者」。互いに相容れず、討ち滅ぼさんばかりにぶつかり合う組み合わせにあります。
天王星が発見されたのは1781年。アメリカ独立戦争やフランス革命の前後でした。時代背景もあり、天王星は過去の限界から未来を解き放つ星とされてきたのです。また、その翌年に発見された元素は天王星ウラノスにちなんで、「ウラン」と名付けられました。
冥王星はリノベーションと後戻りのできない改革を求める星で、1929年に起きた世界恐慌の翌年に発見されました。冥王星プルートにちなんで名付けられた元素「プルトニウム」の名前からも、何か恐ろしい力を感じます。そして現在のカーディナル・クライマックスを形作る天王星は、東日本大震災の翌日に牡羊座に入りました。
この因縁めいた法則は、星回りの中で何を意味するのでしょうか。核爆弾の原料となるウランとプルトニウム。日本を不安の渦に飲み込んだ原子力発電。神話の世界で「火」は神から与えられし、人には扱えぬ大きな力でした。ゼウスの方針に逆らって、日の出の火を人類に与えたプロメテウスは厳しい処分を受けたといいます。原子力は、第二の「プロメテウスの火」だといわれています。原子爆弾によって奪われた命は、日本人の心に原子力の恐怖を教えてくれました。しかし、私たちは東日本大震災という大きな哀しみを背負わなければ、すぐ隣にある「原子力発電」という爆弾に見向きもしなかったでしょう。手に負えぬ強大な力を手にした私たちは、いったいどこに向かおうとしているのでしょうか。 ゼウスが危惧したように、人類は“生きるための火”を“壊すための火”に作り替えてきたのです。神話の時代にもっとも恐れられた火の力は、現代の私たちに大きな命題を問いかけます。

ピンチをチャンスに変える年

ここまで聞くと、カーディナル・クライマックスはいいことのない星回りに思えるかもしれませんね。しかし、物事には必ず表と裏の作用があります。人間が大自然に勝ることはできないけれど、自然界の法則を読み解き、それに備えることはできるのです。厳しい年月だとわかっているのなら、平穏時とは違う何かが私たちのチャンスに繋がるでしょう。ビジネスを成功させている人は、時代の流れを読むのがうまい人ですね。それはある意味で、星を読んでいるといっても過言ではないかもしれません。
カーディナル・クライマックスは爆発的なエネルギーの渦といえます。しかし、エネルギーとは何も元素だけの特権ではなく、私たちの心の中にも存在しているものです。感情や情熱という未知なる力を「プロメテウスの火」にするか「活かす火」にするかは、私たちの生き方次第だといえるでしょう。
先人の残してくれた、たくさんの道しるべをどう活かすか。私たちの内側にあるエネルギーをどう扱っていくか。未来への鍵は、私たち自身が握っているのです。

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