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占い現場報告書

占いの館利用レポート

第37回 二人の男性の間で迷ったあの頃

どちらかを選ばなくてはいけない

実は二股をかけていた時期がありました。高収入でハイスペック、一流企業に勤めるAと、クリエイティブ業界で、フリーで仕事をしている同業者のB。どちらにも好きな面があり、捨てがたいと思っていました。ただ、一般的な地位や安定度でいえば、断然Aに軍配が上がります。そんなある日、とうとうBに二股がばれて、どちらかを選べと迫られました。優柔不断な私はそこで、以前お世話になった占い師の先生に相談することにしたのです。占いの腕を信用していたし、人生経験に基づくアドバイスももらえると思ったのです。

条件面がよくない男性をプッシュ

先生はパッと見たところ60代後半。メガネの奥の瞳がやさしそうなおばあさんです。私が三角関係の現状を説明すると、三人の生年月日を尋ねてきて、東洋的な占いの表を作りました。「うーん、これはB君を選んだほうがいいね」と表を見ながら口にされました。私が理由を訊くと、「本当はどちらもいい男とは言えないけれど、最終的にメリットがあるのはB君だよ」と言うのです。正直、貧乏で仕事も冴えないBを推されるとは思いませんでしたが、私も条件面以外で実はBのほうがより好きでした。同業者のせいか肉親的な親しみを感じるのです。

彼氏の仕事を開拓したら、思わぬ展開に

そしてAに別れを告げて、Bだけを本命として付き合い始めました。しかし、Bは知れば知るほど、仕事ができない男でした。デザイナーだったのですが、なにしろ手が遅く完成まで時間がかかるのです。また、営業もヘタです。『せっかく、センスはいいのに……』見ていられなかった私は、同業でツテも多かったので、Bを頑張って売り込むことにしました。あちこちの取引先を回ってBを紹介し、回せる仕事は回しました。すると少しずつ、Bの仕事が増えたのです。しかも、積極的に動いたことで、自分の仕事まで増えました。熱心な私の姿を見た取引先の方たちが、知り合いを次々に紹介してくれ、B以上に私の仕事が軌道に乗りました。彼氏を思って頑張ったことが、自分へのご褒美になって返ってきたのです。先生がおっしゃったメリットとは多分、これでした。

恋愛ははじけたけれど

その後、Bとは激しいケンカ別れをしました。以前から、自分の技術を磨こうともせず、クライアントへの不平ばかりを漏らす面が嫌でした。しかも、私が仕事を回すことを当たり前のように考えて、感謝の念もありません。プライドと自己評価が異常に高く、本質に気づかないハダカの王様状態です。別れた後、まったく未練はありませんでした。そして、残ったのはたくさんの割のいい仕事でした。良心的な取引先が増えていました。恋愛は上手くいかなかったけれど、思わぬ形のラッキーが舞い込んだ。勉強になったし、悪くない経験だったと思います。

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