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占いを楽しむコラム

タロット占いが今も昔も人気な理由

タロット占い、九星気学占い、四柱推命占い、占星術…。その他にも手相占いや姓名判断、霊能占いなど、現代においては実に様々な占術があります。
しかし、タロットカードによる占いがこれほどまでに一般に広がり、さらに絶大に支持されているのは、タロットの歴史、そしてその成り立ちによるものが大きいのです。この章ではタロットカードの歴史、及び成り立ちについて詳細に解説します。
まず、タロットカードのイメージというと皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか?多くの場合、そのイメージとして、様々な絵が書かれたカードが多数あり、複雑な操作によってカードが選び出され、その結果で運勢が占われるというものではないでしょうか?占ってもらう側の一般的な印象としては、タロットカードの存在は非常に神秘的だと思えますよね。特に操作方法は難しく見えるようです。
しかし、実際のところ、タロットカードによるタロット占いは非常にシンプルにできているのです。さらに、恋愛問題、金銭問題、人間関係全般、これからの運勢など、あらゆる占い結果を得ることができ、姓名や生年月日、暦など個人的な情報も必要ありません。カードの持つ意味と操作方法さえ理解していれば、実は容易く扱える占いの方法、それがタロット占いなのです。だからこそ長い長い歴史を持ちながらも、世界中で好んで使われ、大きな支持を得ているのだといえるでしょう。
もちろん、相談者が抱えている問題に的確な占い結果を出すためには、単に正しい操作方法のみでは難しい事も確かです。占い師の技術とカードの力、その2つが絡み合い、相乗効果を起こすことで始めて正しい結果が得られるのです。そういった意味では、タロットカード自体は店頭などですぐに買い求めることができますが、素人がいくら適切な手順で操作を行っても、その結果の信憑性には限度があります。正しい占いの結果を求める場合には、力のあるタロットカードの占い師に相談するべきでしょう。

タロット占いとタロットカードの辿ってきた歴史

このようにシンプルながらも信頼できる占いの結果を出せるタロットカードですが、その歴史についてはいまだに謎に包まれています。タロットカードが生まれた場所は未だに諸説あり、中国やインド、アラブ、北アフリカ、エジプトなど多岐に渡ります。そして正しくどこと特定できる根拠は今のところないのが現状です。しかし、これにはこれまでタロット占いを含めた占い全般が、いつどこで発生したか分からないのと同じ理由が考えられるのではないでしょうか。
現在でこそ様々な種類がある占いですが、もともとは人間が文明、それ以前に社会という仕組みを持った時、あるいは人間として自覚を持ったその瞬間に自分の今後の生きる指針を知りたいと考えた時に占いは成立したと言えるでしょう。自然物の景色の中に未来を見る原子的な占い方法から、巫女的な役割の人間による神の声を聞く占いなど、現在の占星術の基礎となる占いなどは、人間が人間であることを自覚した瞬間に生まれ、そして現在までずっと必要とされ続けているのです。
その中でタロットカードは、その描かれた図柄が当時宗教的な弾圧を受けていた古代エジプトで現地の土着宗教を残すために描かれた寓意画であるという説が非常に有力視されています。年代にすれば、およそ5000年前の話です。弾圧を逃れるために描かれた図案がカードとして当時のジプシーによって持ち出され、ヨーロッパ中に広まっていったと言われています。
さらに14世紀に入ると、北イタリアにおいて研究が進み、現存する中では最古のカードであると言われているミラノの「ビスコンティ・スフォルツァ版」が成立したとのことです。元はと言えば、宗教の教義書であったカードにその時点で占いに使用するカードとしての意味が付加され、占いのツールとしてのタロットカードがヨーロッパ各地に広がることになったのです。ただ、普及に従い、タロットカードは占いのためだけではなく賭博用のカードとしての意味を持つようになります。
そのような役割も含めてさらに19世紀にかけてフランスで普及し、当時フランスが貿易大国であったことから、世界中に広まっていったと考えられます。また木版や銅版の技術力が高かったことも幸いして、当時のフランスではたくさんのタロットカードが製造されました。これはミラノの「ビスコンティ・スフォルツァ版」との比較として「マルセイユ版」と呼ばれます。タロットカードが貿易を通じて海をわたるなかで劇的に世界中に広まったのは、占いのためのツールであるという魅力的な価値の他に、もともとは宗教教義が描かれた寓意的で神秘的な図柄が人々の心を引きつけたからと考えられます。
さらに普及とともに始まったのがそのカードの図柄に対する意味の解釈の研究です。みなさんはタロットカードといえば、何となく深い色のイメージお持ちではないでしょうか。このイメージはこれまで述べてきたタロットカードの持つ図柄の成立の他にも理由があるのです。それは、魔術との接点。18世紀後半にフランスの作家ド・ジェブランがその著書において、タロットカードは古代エジプトに伝わる魔法の書であるという説、「トートの書」説を唱えます。ただこれは当時のフランスでのエジプトに対する熱狂的なブームの中で彼が作り上げた捏造であることが現在ではわかっています。しかしその説がタロットカードの神秘性とタロット占いの魅力をますます高めたことはいうまでもありません。
タロットカードが魔術と接点をはっきり持ったといえるのは、19世紀半ば近世における名高い魔術師、エリファス・レヴィがその著書の中でタロットカードとユダヤ教のカバラ思想との接点に言及した時です。そのあとを継いだ形で19世紀末には魔術研究家のジェラール・アンコスがカバラ思想との強い関連性を指摘しました。この説が流布したことから、タロットカードと魔術師に深い関係があるとの認識がある人々の間にひろまり、タロットカード自体のその神秘性をますます深め、さらにタロット占いがますます支持されるようになっていったのです。このようにいつの時代も人々の心をひきつけるタロット占いを行うツールであるタロットカード。以降、現代に至るまで神秘性と解釈の幅の広さ、そして、その使いやすさで世界中に支持され続けています。

日本におけるタロット占い

ところで、ここ日本において、タロットカードが広く認識され占いの道具として使われ始めたのはいつの頃だったのかご存知ですか?実は先述した、世界最古のカードであると言われているミラノの「ビスコンティ・スフォルツァ版」が発行された時点で遠く海を渡り、「天正かるた」として日本に伝わってきたのが最初と呼ばれています。ただ、日本でタロットカードが本来の役目を果たすようになるのは実に400年以上後の事。20世紀後半になって、やっとタロットカードが日本にそのままの形で輸入され、その利便性から世界中で流行したのと同じく、タロット占いは瞬く間に広まっていきました。
今あなたが迷える将来を占ってもらっているタロットカードは、日本で、世界で、あなたが想像するよりも遥かに深く古い歴史を持っていることに驚いたのではないでしょうか。

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